【島映画その4】沖縄で女優がウクレレを奏でる『PAITITI THE MOVIE』

少し更新をサボタージュしてしまった。

今回は島映画…というよりは沖縄映画…と言っていいのか。

ウクレレ PAITITI THE MOVIE』という作品からの話題を。

 

ウクレレ PAITITI THE MOVIE [DVD]

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ドキュメンタリー×沖縄ウクレレツアー(+特撮)

 

この作品は、2人組ウクレレユニット″パイティティ″の沖縄ツアーの様子などを収めた音楽ツアー映画でありながら、ユニットのメンバー・女優の洞口依子さんに迫ったドキュメンタリーでもあるハイブリッドな作品。洞口さんといえば、黒沢清監督の作品などで活躍されていて、自分も以前からファンだったりもする。

 

洞口さんは15年前の2004年に子宮頸がんを患い、手術を経て克服されたそうなのだけど、心身がダウンし落ち込んでいた際にウクレレに触れ、ウクレレを通じて広がった仲間の絆に元気をもらい、絶望の淵から這い上がったのだそう。そんな洞口さんが楽しく演奏される様子からユニークなミュージックビデオまで、枠に捉われない内容で魅せる。

 

枠に捉われない…というのも、作品内のミュージックビデオでは模型でかつての渋谷を再現した”特撮”が用いられていたりもする。これは本作の監督・原口智生(「平成ガメラ三部作」造型、「ウルトラマンメビウス」にも参加)による渾身の”遊び心”。ん10年昔、渋谷駅前の百貨店に実はロープウェイがあったのだけど、それを再現していたりも。

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予告にもちょっぴり映っているのが件のロープウェイ。ちなみに本作が上映されたのは那覇桜坂劇場と沖縄のアップリンクで…って、なんか渋谷に浸食されてるぞ、この記事。

 

ウクレレ三線と、一五一会

 

映画では、パイティティがハワイアンの枠に捉われず、自由に演奏したいジャンルの楽曲を奏で歌う様子が印象的である。「沖縄でウクレレ?」なんて疑問も抱くことなく、思いっきり沖縄の陽気というか雰囲気に溶け込んでいるのが、街中で歌って踊る予告のワンシーンからでも十分に伝わる。

 

そもそも沖縄って、「ナビィの恋」や「豚の報い」にも用いられている三線ベースの音楽がなくてはならない存在なのだけど、三線の奏でる音色とウクレレのそれが、音質は異なるのだけど波長というか、暖かみという感覚で近い印象を抱くから、沖縄でウクレレも十分マッチする。まぁ、沖縄もハワイも南国だしね。

 

ナビィの恋」で登川誠仁アメリカ国歌を演奏していたりもしたけど、どちらも島唄、ハワイアンという枠をぶち破った演奏でも十二分に魅了する。そんな新鮮さ、楽しさが映画を介して伝わってくる。そう考えを巡らせていると、BEGINが開発に携わった楽器・一五一会なんかも枠をぶち破ったアイテムではないかと。

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三線とギターをチャンプルーして、より引きやすくした弦楽器。どことなくウクレレにも似ていて、親しみが涌くんですよ。こんなの弾けたら楽しいだろうなと…ね。

 

洞口依子さんも、ブログやSNSを拝見していると頻繁に沖縄を訪れたり、沖縄を話題に挙げていたりするのだけど、実際『パイナップルツアーズ』の一編(三章構成のオムニバスで『ナビィの恋』の中江裕司監督も参加)、『探偵事務所5 マクガフィン』などオール沖縄ロケの映画に出演していたりもする。というか、この2作の監督さん、『パイティティ THE MOVIE』に出演していた(いま知った)。そういう縁なのか、繋がるなぁ。

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音楽、思いっきりパイティティだしね。今回紹介の作品の中で『マクガフィン』だけ未見だったので、ぜひチェックしておきたいもの。沖縄ロードムービーはなかなか味わい深いタイトル、結構あるので(…って、次はそっち?)。沖縄の空気と洞口さんの存在感って、ホントよくマッチするということもキチンと語りたいのだけど、これはまたの機会に…(雑だなぁ)。