【島スポットその1】沖縄・南城市の「浜辺の茶屋」

前回の投稿で「こんな海際の店、あるなら行きたい」とボヤいた件。

12年前に大流行した某Second Lifeに、こういう感じのCafeが沖縄イメージのSIM(空間)に建ってた(マニアック過ぎ)とか、過去の記憶を思い巡らせて…思い出したぞ。

こんな感じのあった。リアルに行ってた(笑)。

そのお店は、沖縄本島の南東に!

goo.glお店の場所は沖縄本島の南端から少し東へ。ひめゆりの塔平和祈念公園といったスポットを通り過ぎ、久高島(『豚の報い』の舞台)へのフェリーが発着する安座間港方面へ向かうと、その途中に美しい海辺に建つの「浜辺の茶屋」がそれ。

 

『月のあかり』の山羊料理店「月子」ほど際際ではないものの、絶景のロケーションであることは、下の動画でも確認できるかと。

 

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木のぬくもりと海風をダイレクトに感じる

訪れたのは、2000年の春。2週間ほど沖縄バックパッキングで旅した時の1日目。ヒッチハイクで近くで下ろしてもらって、その時は屋内のスペースから、海を見ながらコーヒーとデザートを頂いてました(写真、自宅の奥底に埋まってるはず…)。まさに窓からの海の景色、そして海風にワーッとなってたなぁと。木のぬくもりに包まれた空間でのひと時は、(貧乏旅行の中での)ちょっとした贅沢気分だったなぁ…。

 

海が見える、海沿いのカフェって、そりゃ探せば例えば湘南とか伊豆半島でも十分、素敵な場所はあるはず。とはいえ、いわゆるオキナワンブルーを目で感じ、ウチナーの空気を肌で感じながら味わうものは、各段にうまいのだなと、舌にも心にもね。

 

ちなみに、ここを訪れようと思ったきっかけも映画だったりする。この店が登場したというわけではないのだけど、ここに所縁ある?著名な演出家が撮った映画がありまして。

その紹介は、次回に。

 

 

 

 

 

【島映画その5】沖縄で人気声優がヒロインを演じた『月のあかり』

 少し沖縄(本島)が登場する映画を続けます。

 

最近、たまに「人気声優が主演、出演した映画」という謳い文句でPRされる作品を見かけることはあるけど、そういう意味では『月のあかり』は先駆者だったと思う。

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AmazonでDVDが発売されています、配信とか見当たらず…うーん

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主演は『ガールズ&パンツァー』にも出演の人気声優

 

2002年の映画で、確かギャガ(配給会社)が立ち上げた映画レーベル「ガリンペイロ」の作品の一つだった気が(知っているほうが珍しい)。主演は『魔術師オーフェン』とか『地獄少女』に出演の声優・椎名へきる。最近だと『ガールズ&パンツァー』の蝶野教官役が印象的かな(ガッデム!言ってビンタする方じゃない)。初主演映画…と言うことなのだけど、主演映画はこの1本だけというのは、ちょっと勿体ない。

 

物語は、沖縄の海岸沿いに建つ屋外料理店(居酒屋?)「月子」に訪れる女性(椎名)と青年(笠原伸司)、店主(本郷功次郎)とバイトの青年(葛山信吾)ら各々に悩みや葛藤を抱える大人たちが織りなす人間ドラマ。

 

まぁよくあるストーリー…かと思いきや、ここに連続少女殺人事件が(結構強引な感じに)絡んでくるんだけど、犯人役の黒田倫弘ナチュラルにヤバい感じだったのが印象的だったなぁ。あと謎の女性役で(結構唐突な感じに)加藤登紀子が出演しているのも当時驚いたというか、セリフはなかった。

 

絶景過ぎる山羊料理店

 

そんな『月のあかり』(僕の思う)最大の魅力は「月子」のロケーション! DVDジャケットにも写り込んでいるけど、砂浜沿いの岩場に木造のテラスを建てて「雨降ったらほとんど雨ざらしじゃん…」なんて心配以上に、夜の海と天上の月を眺めながら、山羊料理と泡盛を堪能する…そんな沖縄病発症者にはたまらない光景かなと。本当にあるなら絶対行きたい!店なんだけど、まぁロケセットだろうなぁ。というか海際過ぎて維持だけでも大変過ぎる。

 

鴨川の川床を海岸沿いに建てたような…はちょっと違うかな? そんな感じだと思ってもらえたら…。

 

 

【島映画その4】沖縄で女優がウクレレを奏でる『PAITITI THE MOVIE』

少し更新をサボタージュしてしまった。

今回は島映画…というよりは沖縄映画…と言っていいのか。

ウクレレ PAITITI THE MOVIE』という作品からの話題を。

 

ウクレレ PAITITI THE MOVIE [DVD]

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ドキュメンタリー×沖縄ウクレレツアー(+特撮)

 

この作品は、2人組ウクレレユニット″パイティティ″の沖縄ツアーの様子などを収めた音楽ツアー映画でありながら、ユニットのメンバー・女優の洞口依子さんに迫ったドキュメンタリーでもあるハイブリッドな作品。洞口さんといえば、黒沢清監督の作品などで活躍されていて、自分も以前からファンだったりもする。

 

洞口さんは15年前の2004年に子宮頸がんを患い、手術を経て克服されたそうなのだけど、心身がダウンし落ち込んでいた際にウクレレに触れ、ウクレレを通じて広がった仲間の絆に元気をもらい、絶望の淵から這い上がったのだそう。そんな洞口さんが楽しく演奏される様子からユニークなミュージックビデオまで、枠に捉われない内容で魅せる。

 

枠に捉われない…というのも、作品内のミュージックビデオでは模型でかつての渋谷を再現した”特撮”が用いられていたりもする。これは本作の監督・原口智生(「平成ガメラ三部作」造型、「ウルトラマンメビウス」にも参加)による渾身の”遊び心”。ん10年昔、渋谷駅前の百貨店に実はロープウェイがあったのだけど、それを再現していたりも。

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予告にもちょっぴり映っているのが件のロープウェイ。ちなみに本作が上映されたのは那覇桜坂劇場と沖縄のアップリンクで…って、なんか渋谷に浸食されてるぞ、この記事。

 

ウクレレ三線と、一五一会

 

映画では、パイティティがハワイアンの枠に捉われず、自由に演奏したいジャンルの楽曲を奏で歌う様子が印象的である。「沖縄でウクレレ?」なんて疑問も抱くことなく、思いっきり沖縄の陽気というか雰囲気に溶け込んでいるのが、街中で歌って踊る予告のワンシーンからでも十分に伝わる。

 

そもそも沖縄って、「ナビィの恋」や「豚の報い」にも用いられている三線ベースの音楽がなくてはならない存在なのだけど、三線の奏でる音色とウクレレのそれが、音質は異なるのだけど波長というか、暖かみという感覚で近い印象を抱くから、沖縄でウクレレも十分マッチする。まぁ、沖縄もハワイも南国だしね。

 

ナビィの恋」で登川誠仁アメリカ国歌を演奏していたりもしたけど、どちらも島唄、ハワイアンという枠をぶち破った演奏でも十二分に魅了する。そんな新鮮さ、楽しさが映画を介して伝わってくる。そう考えを巡らせていると、BEGINが開発に携わった楽器・一五一会なんかも枠をぶち破ったアイテムではないかと。

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三線とギターをチャンプルーして、より引きやすくした弦楽器。どことなくウクレレにも似ていて、親しみが涌くんですよ。こんなの弾けたら楽しいだろうなと…ね。

 

洞口依子さんも、ブログやSNSを拝見していると頻繁に沖縄を訪れたり、沖縄を話題に挙げていたりするのだけど、実際『パイナップルツアーズ』の一編(三章構成のオムニバスで『ナビィの恋』の中江裕司監督も参加)、『探偵事務所5 マクガフィン』などオール沖縄ロケの映画に出演していたりもする。というか、この2作の監督さん、『パイティティ THE MOVIE』に出演していた(いま知った)。そういう縁なのか、繋がるなぁ。

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音楽、思いっきりパイティティだしね。今回紹介の作品の中で『マクガフィン』だけ未見だったので、ぜひチェックしておきたいもの。沖縄ロードムービーはなかなか味わい深いタイトル、結構あるので(…って、次はそっち?)。沖縄の空気と洞口さんの存在感って、ホントよくマッチするということもキチンと語りたいのだけど、これはまたの機会に…(雑だなぁ)。

 

 

 

【島映画その3】沖縄・久高島の『豚の報い』

『洗骨』のように風葬を扱った沖縄映画を、20年ほど前に観ていた。

『豚の報い』という、沖縄サミットの1年前に公開された作品。

 

豚の報い [DVD]

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監督は後に『血と骨』を手掛ける崔洋一小澤征悦がこの映画で俳優デビュー&初主演。ヒロインは地元出身の早坂好恵…って、けっこう濃い面々だったんだなぁ。ざっくりと、どんな話だったか?というと――

・沖縄のスナックに逃げ出したが紛れ込み、驚いたホステス(早坂)が気絶。

・彼女は正気を取り戻すも、風習的に「マブイ(魂)を落とした」状態に。

・そこで常連の青年(小澤征悦)正吉の頼りで、マブイ込めの旅へ。

――というのが導入。

早坂&小澤は、ネーネー(先輩ホステス)2人と一緒に神が住まう島・真謝島へ…。と、この島、実在はしないのだけどモデル&ロケ地となったのは、久高島

goo.gl

沖縄本島の南東、船で往来し易い位置だけど、これが映画と同様、実際に「神の島」として知られる観光スポット。なんでも琉球(沖縄)を創成した女神様が降り立った聖地とされているのだとか。映画は、あれかな、畏れ多くて仮名の島にしたかな…?

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そんな神の島へ渡って物語は――

・島の民宿でどんちき騒ぎなネーネーたちが、豪勢な豚料理に当たり下痢ピー

・そんな中、青年はこの島で風葬された父の眠る砂浜へ赴き、父の骨と再会

・島での出来事を通じホステスたちが思い思いに過去と向き合い、

――という感じで、4人はマブイ込めのため御嶽へ向かう…という、とても抒情的というか、心に染みるドラマだったと思う。立場や世代で感情移入できる部分が変わり、きっと今見たら新しい発見がありそう。

 

あ。

しれっと書いちゃってるけど、御嶽(うたき)というのは、琉球王朝時代から神事や祀が行われた聖地で、沖縄には各地に点在していて、世界遺産登録されている場所も。

www.tabirai.net

そんな『豚の報い』を観て、当時感じたことは、沖縄の、琉球の人々は、肉体、骨、そして魂それぞれに死生観とリンクさせた深い意味合いを持ち、それらを風習・文化として親から子へ、子から孫へ大切に受け継いできたのだな…ということ。その過程の中で垣間見る人間模様が『豚の報い』には描かれていたのだと思う。『洗骨』もきっとそうかな。年が明けたら2本続けて見てみるのも面白いかな。

 

つらつらと書き進めてみたけど、もうちょっとで(このブログの)良さげなスタンスが見えてきそう…かな?

 

 

 

 

 

【島映画その2】沖縄・粟国島の『洗骨』

前回(アイランダー2018、沖縄・粟国島ブースでの話)の続き。

「『ナビィの恋』を見て、沖縄にハマり出して、粟国島に行きたい!」って思ったんですよね」というようなことを、はるばる船と飛行機を乗り継いで池袋へやって来られた粟国島の観光担当さんに話をしていると…。

 

「『ナビィの恋』をご存知なんですねぇ、ありがたいですねぇ。最近はセンコツだからねぇ」

 

センコツ? 何ソレ?

 

そんな僕に担当者さんが教えてくれたのが、この『洗骨』という映画。

www.youtube.comどうやら粟国島などの風習を題材にした人間ドラマで、監督はガレッジセールのゴリ。

あぁ、「ちゅらさん」にも『ナビィの恋』のオバァ(平良とみ)と共演してたっけ。

 

その昔、風葬で「あの世」に葬られ肉を失った故人は、数年後、縁者に骨を洗ってもらうことで「この世」から離れられる。…映画では、そんな「洗骨」をテーマに母(妻)を亡くした家族の葛藤が描かれているようで、奥田瑛二筒井道隆水崎綾女…となかなかの演技派俳優たちが共演しているのもポイント。

 

予告を見る限り、『ナビィの恋』とはまた異なる視点で島の風景や人々を切り取っているようで(こちらの方がリアルかな。『ナビィの恋』はファンタジック)で、より今風の映画と言えそう。「いやぁ…これ知らなくって恥ずかしい。塩舐めながらDVDで見ますね!」とブースを後にしようとすると、公開、来年ですよと担当者さん。

 

 

おおー!あと2か月後かぁ…。この映画は絶対見る!

また久しぶりにスクリーンで、沖縄の、粟国島の空気に触れますか。

 

次は『洗骨』で思い出した、とある沖縄映画について…だと思う。

【島映画その1】沖縄・粟国島の『ナビィの恋』(後編)

ナビィの恋』の魅力?を浅堀りして数日後。池袋で”島好き”が集まるイベントがあってですね。全国各地の離島の観光&物産を紹介するアイランダー2018」

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国土交通省公益法人日本離島センターが主催で、少なくとも10ん年は毎年11月にサンシャインの展示ホールで催され続けてる。(これはチラシ)

 

今回、数年ぶりに足を運んだこちらで発見したのが、その『ナビィの恋』の舞台・粟国島(あぐにじま)ブース! 沖縄本島から西へ60㎞ほどに浮かぶ面積7.62平方㎞、周囲12.8kmののどか~な島。もう映画の通りの風景の島(…のはず)。

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粟国島PRブース(アイランダー2018)

島の主な産業は農業と漁業。そしてもちろん観光。僕も『ナビィの恋』公開後に足を運びたかったのだけど、飛行機のスケジュールが合わず断念。なんで諦めた昔の自分。

 

そんな粟国島の特産品といえば、この「粟国の塩」

 ”食品としての塩は本来どうあるべきか”を20年研究、誕生した塩だそうで、映画の公開イベント、または沖縄物産展で知ったのが最初だったかな…。粟国島近海の海水を10日間を費やし昼夜休みなく水分を蒸発させ、その後30時間に渡って平釜で煮詰めて完成…じゃなくって、さらに脱水&乾燥に2週間。なんと1か月かけて作られるんだとか…。

これ、肉や魚に振りかけるだけで絶対うまいやつ!

粟国の塩 500g

粟国の塩 500g

 

 

…と「塩いいですよね!」なんて粟国島ブースで話していたらブースの担当者さん(島の方)が喜んで下さって、こんな試供品を下さったてこう言うのです。

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試供品といっても、しばらく使えそうなボリューム!な粟国の塩。このパッケージ柄のTシャツも売っていたのだけど、それはいつか島に行った時、絶対買う…!

 

担「この塩、絶対ポテトフライにかけちゃダメですよ!」

僕「え? なんでですか? 食品の相性が悪いとか…(ゴクリ)」

担「手が止まらなくなります!

 

ということで、たぶん島にポテト持っていったら病み(ツキ)ますね。

最近、僕も、この禁を破ってみたい欲望に駆られてます。どうしよう…。

次、もうちょっと粟国島の話・

【島映画その1】沖縄・粟国島の『ナビィの恋』(前編)

いわゆるリゾート的な島で、大抵の人が思い浮かべるのが「沖縄」なのだと思う。だけど、10代の僕はひねくれていて「暑いだけ」と行ってもないのに嘯いていた。本気でそう思っていた僕の価値観を変えるきっかけをくれたのは、この『ナビィの恋』。

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後にNHKテレビ小説「ちゅらさん」のおばぁ役で全国区で人気を集める平良とみ風するナビィおばぁが、初恋相手との再会から心揺れ動く。という話に孫娘(西田尚美)やバ旅人(村上淳)のイイ感じな展開が絡まり、ドラマは終始ユーモラスに繰り広げられる。

 

で、この映画を見て「沖縄いいかも!」と思わされた点を幾つか挙げると――

 

その1 海と空の「青」、森の「緑」、ハイビスカスの「紅」の美しさ。

とにかく自然の美しさにシビれた。沖縄の日差しの成せるものでもあるのだろうけど、色が鮮やかで、グッと目に入り込んでくる。そんなパワーを感じさせられるのですよ。

 

その2 三線島唄、そしてアイリッシュ?「音楽」の力

これは予告を見て(聴いて)もらったほうがいいかな。

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当時、BOOMの「島唄」がヒットしていた前か後かは忘れてしまったけど、三線(さんしん)と声高な歌声の島唄の素朴さが、「その1」と一緒に波状攻撃で耳に襲ってきた。優しいけど力強さも兼ね備える。そんな軸のあるミュージックにも魅了された。そこへ輪をかけるように用いられたアイリッシュ・ミュージックもたまらない。

(これについても語ると長くなるので、別の機会に)

 

その3 沖縄のジミ・ヘンドリックス

「その2」に挙げた音楽は言わばソウルミュージックで、そう言わしめる上で本作で最も存在感を放つのが、オジイ役の登川誠仁。予告の最後で「おっぱい」の良さについて語るお方。しわがれた味のある歌声と三線の速弾きがカッコ良過ぎるのさー。

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…って、これは映画から外れてしまっているか。とはいえ映画での超・素の演技もユニークで、演奏も素晴らしい。劇中「国頭ジントヨー」という島唄村上淳と一緒に替え歌にした「(おっぱい)モンデヨー」が秀逸です(どうしてもそっちか?)。

 

…いや、これあまりに断片的な紹介だな。まぁ、とりあえずいいか。

もうちょっと丁寧にかみ砕くか、違う切り口に行くかで次回は迷う。迷う…。